たまの覚書

記憶を書きとめておくところ

ぎゃくさつ

ある日帰ったら、家の中はグチャグチャだった。すべてがひっくり返され、バラバラにされ、コードというコードが薬味のネギみたいに切られていた。丁寧な仕事だなと思った。
私は初めて家に土足で上がり、モノのぎゃくさつげんばでぼんやりたたずんでいた。
好きなアーティストの、一生懸命集めたビデオが見られなくなってしまったのが、とても悲しかった。
そのまま、家には何週間も帰れなくなった。犯人が逮捕されるまで。