悪夢
昔から、悪夢が多かった。
待ち合わせやら、飛行機船電車新幹線など時刻が決まっているものには必ず乗り遅れる。
空を飛べば落ちる。水があれば溺れる。人が出てくれば執拗に追いかけられたうえ殺される。ゾンビがわらわらわいてくる。巨大な虫に襲われる。ただしこの虫に関しては、人間よりもずっと大きい場合は謎のとりもち罠みたいなもので解決することもある。通常よりも大きい程度の場合は多数に襲われ、必ず多勢に無勢でジ・エンドというよくわからない区別がある。
子供は誘拐されるし、夫には離婚届をつきつけられる。しかも実際にそのシーンに至るまで、怪しい人物を目撃しながらも放置するとか、愛情を試すような行為をするとか、必ず「私に落ち度がある」描写がいくつも入る。
夢の中では災害も多い。
ハリウッド映画顔負けの、超高層ビルの最上階から床を突き抜けてひたすら落ちる夢もある。しかも、私の体は地階に叩きつけられるまで砕けない。床が無限に抜けていくような感覚だ。
せっかくだから悪夢日記をつけてみようかな。
泣き声
自分の赤ん坊の泣き声が、「役立たずのカス親が!早くしね!」と聞こえる人は意外と少ないのだと知った。
図書館
幼い頃は、家にいるのが苦痛だったので学校の図書室か遠い図書館に出掛けていた。
本に囲まれていると安心する。
「荒野に猫は生き抜いて」という本に出会った。
猫の生きざまに自分を重ねて、なんとか生きて、なんとか生き抜いて、と祈りながら読んだ。
猫はあっさり死んだ。
どんなに苦しい思いをして生き抜いても、こんなにあっけなく命はなくなってしまうのか。
絶望とも安堵とも違う複雑な気持ちだった。
なんだか、置いていかれたような気がしたのだ。
読書感想文を、課題図書を無視してこれで書いてひどく怒られた。
この本と、映画?の「伊勢湾台風物語」が私の二大トラウマである。この映画は子供に見せるものじゃないと思う…。